コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方

当社は、社会の基盤を担う責任ある企業として、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、経営の公正性・透明性を確保するとともに、株主をはじめとするステークホルダーに対する説明責任を十分に果たしてまいります。

現状のコーポレート・ガバナンス体制について

当社は、取締役会を経営および監督の最高機関と位置づけており、原則として毎月1回定例で開催し、法令・定款および取締役会規程の定めによる会社の経営方針および業務執行上重要事項を議決するとともに、取締役の職務執行を監督しています。

取締役会は社外取締役4名を含む11名(男性9名、女性2名)で構成されており、2006年6月より取締役の任期を2年から1年に短縮し、会社経営に対する取締役の責任を明確化しています。また監査役会は社外監査役2名を含む4名(男性4名)からなり、株主の負託を受けた独立機関として取締役の職務執行を監査しています。

役員の専門性と多様性

当社では、取締役会全体としての知識・経験・能力・専門分野についての多様性および構成のバランスに配慮し、経営者としての豊富な経験や当社の事業分野に対して優れた見識を有する候補者を取締役および監査役に選任しています。

スキルマトリックス(2023年6月29日時点)

取締役会の諮問委員会

当社は、社外役員を含むメンバーによる取締役会の諮問委員会として、全て社外役員を議長とする「ガバナンス委員会」「人事委員会」および
「報酬委員会」を設置しています。

ガバナンス委員会

人事委員会

報酬委員会

構成員

(2023年6月29日〜)

隅  修三(独立社外監査役)※議長

島田 邦雄(筆頭独立社外取締役)

清水  博(独立社外取締役)

野本 弘文(代表取締役会長)

堀江 正博(代表取締役社長)

島田 邦雄(筆頭独立社外取締役)※議長

蟹瀬 令子(独立社外取締役)

宮崎  緑(独立社外取締役)

野本 弘文(代表取締役会長)

髙橋 和夫(代表取締役副会長)

島田 邦雄(筆頭独立社外取締役)※議長

蟹瀬 令子(独立社外取締役)

野本 弘文(代表取締役会長)

役割

コーポレート・ガバナンスに関する

事項全般を審議

取締役候補者の選定、代表取締役の選

定・解嘱およびその後継者に関する事

項、執行役員等の選解任、相談役・顧問等の委嘱に関する事項等について審議

取締役の報酬の配分に関する事項、

相談役・顧問等の報酬について取締

役会からの一任を受け審議し決議

取締役会の実効性評価

評価の方法

当社では、取締役会における意思決定の有効性・実効性について分析・評価を実施しており、全取締役および全監査役を対象としたアンケート、代表取締役および独立役員に対するインタビューなどを実施し、その分析・評価結果について、外部専門家(弁護士)による評価を受けた後、ガバナンス委員会および取締役会において審議を行っております。なお、より実効性を高めるための今後の方向性などを客観的に把握することを目的に、2019年度より外部コンサルタントが実施しています。

実効性評価を踏まえた課題の抽出と取り組み

2022年度の取締役会の実効性は、担保されていると認識されていることが確認されております。前年度に抽出された課題に関しては、
改善に向けた取り組みが着実に進んでいるとの評価が確認できており、今年度抽出された以下の課題に対しても個別の対応策を講じ、
取締役会の一層の充実を図ってまいります。

 課題①戦略に係る議論・モニタリング強化

 課題②グループガバナンスの強化

 課題③諮問委員会の充実・人材に係る議論

業務執行、監督機能などの充実に向けたプロセス

当社では経営と執行の分離をすすめ、権限および責任を明確化し、業務執行体制の強化を図ることを目的とした執行役員制度を2005年4月から導入しています。また当社および連結子会社からなる企業集団の経営に関する重要課題を審議する機関として東急グループコーポレート会議を定期的に開催するとともに、会社の業務執行に関する基本方針および重要事項を審議し決定するための経営会議を原則として毎週開催し、効率的かつ効果的な会社運営を実施しています。
また、会社業務の全般にわたり内部監査を実施することにより、会社経営の実態を正確に把握検討し、業務の改善を促進させる体制をとるとともに、内部監査の結果を経営者、監査役に報告しています。さらに子会社を含め経営の適正性を確保することを目的とした内部監査を強化し、継続的に実施しています。

社外役員の独立性判断基準

当社は、東京証券取引所が定める独立性基準に加え、当社独自の「社外役員の独立性判断基準」を制定し、その要件を満たす社外役員を全て独立役員に指定しています。

 

■当社は、東京証券取引所が定める独立性基準に加え、以下の各要件のいずれにも該当しない者は、独立性を有するものと判断する。
(1)「過去3事業年度のいずれかにおいて、当社の連結売上の2%以上を占める取引先」の業務執行者 
(2)「過去3事業年度のいずれかにおいて、当社が売上の2%以上を占める取引先」の業務執行者 
(3)「過去3事業年度のいずれかにおいて、当社の連結総資産の2%以上を占める借入先」の業務執行者 
(4)「過去3事業年度のいずれかにおいて、出資比率10%以上の当社の主要株主および出資先」の業務執行者 
(5)過去3事業年度のいずれかにおいて、当社から年間10百万円超の報酬を得ているコンサルタント、会計専門家、法律専門家 
(6)当社および連結子会社の取締役等の配偶者または二親等以内の親族

役員報酬の算定方法の決定方針

取締役の報酬に関する決定については以下の方針としております。また、監査役の報酬については監査役間で協議の上、決定しています。

 

■取締役の個人別の報酬等(執行役員を兼務している者については、執行役員としての報酬等を含む。)の決定に関する方針
(1)中長期的な企業価値の向上および株主価値最大化への貢献意識を一層高めることを目的とする。
(2)株主総会の決議の範囲内で、上場企業等他社、主に公共性の高い企業の役員報酬水準、ならび従業員給与の動向を反映し内容及び額を決定する。

(3)取締役の役割と責任に値する固定報酬および担当する部門の業績総合評価に基づき算出する業績総合評価報酬ならびに株主と取締役との

   一層の価値共有を図る株式報酬から成り立つ体系とする。執行役員を兼務する取締役について、その構成割合は業績総合評価が

   中間値の場合に役位に応じて「固定報酬:業績総合評価報酬:株式報酬=17~26%:64~72%:8~12%」を目安とするが、

   各人の評価および株価により変動する。その他の取締役については、その職責等も踏まえた構成及び構成割合とする。
(4)固定報酬については、役位ならびに代表権の有無に応じて定める。
(5)業績総合評価報酬については、執行役員を兼務する取締役のみを対象に給付し、中期経営計画等を踏まえ、担当する部門の予算達成率や

   実行率等、部門毎の指標を考慮要素とした総合的な考課査定による5段階での評価に基づき算出する。
(6)株式報酬については、執行役員を兼務する取締役、取締役会長、取締役副会長、取締役相談役および取締役調査役を対象として、

   株式交付信託を活用し、役位等に応じて段階的に付与される株式交付ポイントに基づき、当社株式および金銭を交付および給付する。
(7)金銭での報酬は毎月給付する。役員就任日が月の中途であるときは、就任の翌月より給付を開始する。株式報酬については株式報酬の

   対象となる役位を退任した後に交付および給付する。
(8)(1)~(7)に基づく個人別の報酬の決定については、報酬委員会に決定を一任する。報酬委員会は社外役員2名および取締役会長にて構成し、
   社外役員を議長とする。原則毎年6月に開催するが、役位の変更や内容を変更する必要が発生した場合には都度開催し、変更を決定する。

役員報酬

■ 取締役および監査役の報酬等の総額

2020年度

2021年度

2022年度

報酬等の総額

(百万円)

対象となる員数

(名)

報酬等の総額

(百万円)

対象となる員数

(名)

報酬等の総額

(百万円)

対象となる員数

(名)

取締役

(うち社外取締役)

386(36)

16(5)

358(42)

15(6)

385(37)

15(5)

監査役

(うち社外監査役)

71(18)

5(3)

67(18)

4(2)

72(18)

5(3)

1. 取締役の金銭による報酬総額は、2007年6月28日開催の第138期定時株主総会において、年額550百万円以内(うち社外取締役分45百万円以内、
  使用人兼務取締役の使用人分給与を除く)と決議しております。(決議時の取締役人数は18名、うち社外取締役3名)
2. 取締役(社外取締役を除く)に対する株式による報酬総額は、2017年6月29日開催の第148期定時株主総会において年額100百万円以内と
  決議しております。上記の株式による報酬総額は当事業年度の費用計上額です。(決議時の取締役人数は18名、うち社外取締役4名)
3. 監査役の金銭による報酬総額は、2007年6月28日開催の第138期定時株主総会において、年額90百万円以内と決議しています。
 (決議時の監査役人数は5名)

政策保有株式の方針

1.保有について
 長期的視点での事業戦略および財務戦略の円滑な遂行を踏まえ、取引先との関係の維持・強化により、当社および連結子会社の事業発展に資すると
 判断した株式を保有します。また、このような上場株式について、個別銘柄ごとに長期的視点での事業戦略および財務戦略に係る定性的な観点、
 および配当収益その他の経済合理性等の定量的な観点を踏まえて、保有意義を毎年、取締役会で検証します。その結果に基づき、保有意義が
 認められない場合には、株式市場の状況等を考慮しながら、縮減するなど見直しを行うことを基本方針としています。
 なお、2023年3月末時点で保有している政策保有株式につきましては、検証の結果、継続保有が妥当であると判断しています。


2.議決権行使について
 中長期的な株主価値の向上に資するか、当社の株式保有意義を損ねることがないかなどを個別に検証のうえ総合的に判断し、適切に行使します。

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